まだ言うことあったっけ?とりあえずいっかと私もデザートを頂くことにした。

「よく見てるな。本気で好きなんだ俺の事。」

そんな改まって言うものですか?と顔を見つめるとそこにはとびっきりいい笑顔をしてるツバサが。

「こうしてるだけでもアイリは嬉しいんやろうな」

何その満足気な笑顔は。満更でもない感じなのが可愛らしくもあり、憎らしい。

「あんまりからかうのやめてください…」

「からかって…ないけどそう感じたならごめん。普通に嬉しいなって思って。俺のこと好き好き言う人は表面上だけの人もやっぱり居るねん。ちょっと有名だから名前売っとこう…金持ってるから仲良くしとこう…名前だけ知ってるからファンですとか。だけどアイリのは表面上だけじゃなく、ちゃんと見てくれてるからこその好きなんだって気持ちが伝わった。だから嬉しい。ありがとう」

「そんな…お礼言われることじゃないけど…こちらこそ引かないで聞いてくれてありがとう」

私の返しにツバサが笑って、その笑顔が可愛くて私も釣られるように笑って。あーこの時間があと少しで終わってしまうのが嫌だな。もう二度とツバサに会えないかもしれないし…

「そろそろ行こか」

デザートが食べ終わったらそうだよね。出ないといけないよね。と後ろ髪引かれる思いで立ち上がり、個室を出る。

「えっ?あの、お会計は?」

レジを通りすぎてそのまま外に出ようとするツバサの背に声を掛ければ

「済ましてあるから気にすんな」

ってまた優しさとカッコ良さを見せられて、1つ好きな部分が増えた。