優しいミユキの言葉にうんと頷いて

「そうだね、1回冷静になって考えてみるよ。なんか有り得ないことが立て続けに起きてびっくりしてる状態だから、ゆっくり考えてみるよ」

「でもさ、本当急展開だね。良かったね、イベント行けてさ。行けなかったらこうはなかったわけじゃん?今まで画面越しに見ていた人が好きで好きで堪らない人にやっと会えてさ。そこで会えただけでも嬉しいのに、お話して写真撮れて…家に帰ってきたらLINEきて、電話きて、ご飯誘われたんだよ?アイリ一気に幸せになったね。でもその分今までずっと思い続けて居たからきっとツバサから連絡きたんだよ」

チナツの言葉に思わず涙が浮かぶ。

「だからさ、さっきミユキが言ったようにゆっくりでいいから頭の中で整理してみたら?今は一気に起こりすぎて頭が追いつかないだけで、時間と共に実感してくるよ。だってアイリはツバサの事ずっと大好きだったんでしょ?今はいい方向に話が進んでる時期だよ」

小さい子に話しかけるような、諭すような話し方で私の背中を擦りながら話してくれるチナツの腕を掴んで

「ありがとう、ミユキもありがとう」

1人じゃ抱えきれなかった問題もこうやって一緒になって喜んでくれて、話してくれて2人が来てくれて良かったと心から思う。

「落ち着いたら夜ご飯食べに行かない?」

チナツの提案にミユキと二人でさんせーい!と同意し、夜の街に出掛ける事にした。