「アイリ〜起きろ〜」

ん?何やら頭上で声が聞こえる…まだアラーム鳴ってないよ?と思いつつ重たい瞼を頑張って開くと

「なっ!えっ!?ツバサ?!!?!?」

「何?寝ぼけてるん?おはよう」

あまりにもビックリし過ぎて瞼はガン開き慌てて起き上がる。

「えっ?はっ!?なんで居るの?」

「何でって…俺昨日泊まりに来たやん」

泊りに来た?何言ってんの?と寝起きなのか余計に頭が回らなくてこの状況が理解出来ない。

「いつ?えっ、てか私の事知ってんの?なんで?どうして!?」

目の前に居るツバサは本物!?と手を伸ばすと

「だって俺ら付き合ってるやん」

と伸ばした手を掴まれてツバサの腕の中に抱き締められた。

「えっ?付き合ってる…?」

ますます頭の中はこんがらがってツバサの発する言葉を理解するのに時間は掛かるが、抱き締められた腕の中は確かに温もりがあって

「本当にツバサなの?」

と顔を凝視する。

「なんか付いとる?俺の顔。」

そこには何度見ただろうか。画面越しのツバサの顔が目の前にあって

「やっぱりカッコイイ…」

ポツリと言うと

「そんなん朝から言うたらあかんわ。襲うぞ?」

ってイケメンボイスで囁かれ

「どうしよう…私生きてるのかな?」

と訳分からない事を言い出す始末。

「ほら、準備せんくてええの?仕事遅れるんやない?」

時計を見て名残惜しいベッドから降り、キッチンに向かったり洗面所に向かったり。もうちょっとツバサの体温感じたかった…