小さい頃可愛がっていた幼なじみがイケメン総長様になってた件について

……あずほちゃん、かわいいな

水着に着替えて、今は更衣室から出たところ。

「あずほ!やっぱそれ似合ってる!」

「これで冬夜のことも落とせるね!」

「…落とせるかな?」

「うん!」

なんて、楽しそうに話すあずほちゃん。

はぁー

私は水着と一緒に買ったラッシュガードを着て更衣室を出た。


トボトボと歩いて砂浜にある班用のパラセールのところに座った。


まだ、みんなきてないな…

「李由。」

後ろから私の肩に顔を置いて言う龍。


「…ヒェッ!」

私はびっくりしてすぐに立ち上がってしまった。

「龍、着替え終わったんだ…」

「結構前にな」

…じゃあ、今までどこ行ってたんだ?

と、思ったけどすぐに分かった。

龍の片手には浮き輪があった。


「ほらっ、李由泳げないだろ」

覚えててくれてたんだ…

小学校の時から泳げないのは変わらなかった。

私はそれを受け取って「ありがとう!」
と言った。