———— ふと目が覚めた。
時計を見るとまだ深夜1時。
隣に伊吹くんの姿はない。
リビングのドアの前に行くと
まだ明かりがついていた。
そっと開けると、
ソファに座って冊子をめくりながら
ぶつぶつとつぶやいている
伊吹くんの姿が見えた。
恐らくセリフの練習中。
こんなに遅い時間まで...
忙しい中、私との時間を作ってくれて
一生懸命気持ちを伝えてくれたことが
嬉しい反面、これから先自分の存在が
重荷にならないだろうかと不安が襲ってきた。
それでも一緒にいると決めたのは私。
伊吹くんを応援したい。
私にできることってなんだろう。
伊吹くんのお仕事の邪魔をしないよう
リビングの扉をそっと閉めて
ベッドに戻って考えた。
私にできること、
これしかない。
早速明日から実践できるように
頭の中でイメージして、
再び眠りについた。
