教えてもらった住所まで歩くこと数分。


え...これ??


目的地にたどり着くと
その大きさに圧倒される。


マップが示す現在地は高層マンション。


ここがアイドルのおうち...
恐るべし...



後ろを振り返るけどまだ伊吹くんは見えない。
カードキーをかざして、大きな自動ドアを
くぐり抜けエントランスに入る。


エントランスにはたくさんの観葉植物、
ソファやテーブルもあってホテルのような素敵な空間だった。



ほわぁぁ〜....


息を呑むような高級感のあるエントランスに
見惚れていると、



「凛花さん!お待たせ。無事ついて良かった!」



いつのまにか伊吹くんが隣にいた。



「ねぇ、ここに住んでるの?こんなところ私入れるの?」



「ん、そうだけど?俺の部屋ここの15階。
そんな高層階じゃないんだけど眺めは結構良いから気に入ってるんだ。凛花さんにも見せたくて。ついてきて!」


言われるがままついていくと
あっという間に15階の伊吹くんの部屋の前へ。



キーをかざし伊吹くんがドアを開ける。


「どうぞ。」


伊吹くんの優しい声にエスコートされ
中に入る。


「お邪魔しま〜す。」



中に入るとそこには
ブラウンとブラックを基調とした
お洒落な空間があった。



忙しいだろうにきちんと片付けられた部屋。
大きな本棚には数々の本が。
家具も何もかもモデルルームみたいで
色々見てしまう。




「恥ずかしいなぁ。あんま見ないでよ笑」


そういわれても大好きな人のおうち
興味ない訳がないよ!笑


いつも会うと微かに香る伊吹くんの匂い。
その匂いに玄関から入った時から包まれて
身も心も溶かされる。


「良い匂い...」


何の香水使ってるのかな。



「えなに、どんな匂い?俺、香水とか使わないんだけど笑」


「そうなの??なんか落ち着く
ずっと嗅いでたい匂い...」



この匂い瓶に詰めて売って欲しいくらい。



「うわぁぁぁぁ!!!キレイ!!!」



部屋の奥のガラス窓から見える夜景の
あまりの綺麗さに思わず窓に駆け寄る。


「でしょ?これ凛花さんに見せたかったんだぁ!」



そう言いながら後ろから片手で私の腰を抱き
反対の手で頭をそっと撫でてくれる。


その姿がガラス越しに映って
何だか恥ずかしくなる。



「改めて言うけど、凛花さん俺と付き合ってくれて
ありがとう。これ以上ないくらいに幸せだよ。
仕事忙しくて寂しい思いさせちゃうかもしれないけど、俺頑張るから。」



そういう彼が
年は下なのに
ずっと大人に見えた。


「私こそ幸せだよ。ちょっとでも支えられるように
私も頑張るから、絶対に無理だけはしないで。」


「うん、わかってる。」


「さてと、今日泊まってくよね???
お風呂一緒入る??笑」




「うぇぇぇっ????!!!」



どうしようあたしそういう
つもりできてないです今日...!