ZGプロダクション社員食堂に派遣されて
厳重な警備体制やハイテクな厨房システムに驚いた4月から早3ヶ月。
今日もアッシュの長い髪は団子にまとめてブラウンのキャップに入れ込み、ベージュのエプロンをしてキッチンと栄養士室のあるフロアに出勤する。
食堂にしてはお洒落な、ベージュを基調としたユニフォームはとってもお気に入りで、少しばかり気分を上げてくれる。
まぁ、マスクと帽子で目しか見えないし、当然ながらアクセつけたり爪いじったりはできないんだけどね。それはこの仕事をしてる以上絶対なんだけど。
最初こそ慣れない作業に戸惑いはあったものの一緒に働く調理師さん達もとても優しく、つくづく人間関係に恵まれているなと感じる。
栄養管理のターゲットは年齢層も幅広く、性別も様々なので品数も量も選べる定食から、忙しくても食べられる軽食まで出来るだけ種類豊富に用意した。
1つ1つにエネルギー量も明記して、食堂内にはメニュー選択のアドバイスも掲示して工夫した。
プロダクション関係者は、タレントスタッフ関係なく社員証を機械にかざせばメニューチケットを無料で発券できるようになっていてとても良心的な会社だ。
心なしかだんだんと利用してくれる社員さんが増えたような...調理師さんとも協力してメニュー開発に力を入れたおかげだと良いなぁ。
特に混み合うお昼時、次のメニュー開発の参考にするべく、キッチン内から飲食スペースのカフェテリアを観察する。
キッチンが大変なときは調理に入ることもあるけど、今日は大丈夫そうかな。
「バラエティー定食だせます!」
「はーい、出します!」
「お待たせしましたぁ バラエティー定食です。」
「え、俺これじゃないんすけど。」