親友の恋

親友は、何度か深呼吸した。
その間に、私は次に続く言葉を想像して、なんとも言えない気持ちだった。親友の恋が叶うのは嬉しいけど……だけど。
親友は、ついに口を開いた。

「…両思いだった」

「……え」

やっぱり、そうだった。
私は、心臓を撃ち抜かれたくらいの衝撃をうけた。
分かってたけど。こうなるって。
絶対両思いだって思ってたもん、親友の話を聞いてたら。

「え、いや、おめでとう」

私の口から、こういう時のデフォルトの言葉が出て来た。
というか、これしかいえなかった…っていうべき?
でもやっぱり彼女の恋がかなったのは素直に嬉しかったし、親友として誇らしかった。
でも、そうかぁ。ほんとに、叶ったんだなぁ……。
予感は当たっていた。
彼女は、一度目の恋で、何度も恋をしている私を抜かしてしまった。

ーー初恋は叶わない。

そんなのただの迷信じゃんって、心の中で笑った。

親友が恋を叶えた。
それは親友が頑張った成果だし、素敵なこと。
だけど、私は?
叶ったことなんてない。
いつも、待ってるだけだった。
少しの勇気が、出せなかった。
もちろんよく話したりしたけど、「恋愛に繋げる」ことは出来ないんだ。

早く帰りたくなった。
このままだと、彼女を羨んで自分が醜くなるんじゃないかと恐れた。

胸が、むかむかする。
心に、穴が空いた気がする。

親友が、羨ましい。
私が何度も何年も出来なかったことを、この可愛い自慢の親友は、すぐに叶えてしまう。