甘い災厄




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 何度か電車を乗り継ぎ、辺りがすっかり夜中になった頃――ホテルで手続きを済ませた。

もちろん、健全なところだ。
「おなかすいちゃったね……」
「そうだな」

 昼にたくさん食べていたのが遠い昔のようで、ぼくらの胃は、既に空腹を訴えて来ている。

電車の中で何度かされた行為を思い出して、なんとも言えない気分になりつつ、それでも愛らしいご主人様を叱る気にならないぼくは、どうかしているんだろう。
本当に……
毒されているな。

まつりは、ぼくの何かを確かめるように、近頃はやたらと距離が近い。
最近、いろいろあって、ついに、今まで踏み込ませなかったところまで許してしまったので、なんていうのか、より一層、ドロドロと依存していきそうだ。
 まつりが居ないとどうしようもない身体になったなら、どうしてくれるのだろう。