それから数日、あの日から彩奈の教えを守って晴人くんには話しかけてもないし一切近付いていない。



彩奈の目を盗んで晴人くんのことを見るけど、私のことを気にしてくれてるような様子は全く伺えない。




「うーん。晴人くん不足…」


朝、教室に入って自分の席で項垂れる。


「まだ数日しか経ってないでしょ!」



…晴人くんと話したい。



「そうだけど〜」




晴人くんにおはようって言うためだけに学校へ来てるようなものなのに…




「森本!おはよっ」



頭の上から声がして、急いで顔を上げる。



「おー、神崎くんおはよ!どうしたの?」



私の前に立っていたのは、クラスでも人気者の神崎くんだった。サッカー部のエースで爽やかな笑顔でこれまたモテる。