これがもし、中学時代の私なら、

「このドスケベがっ!」

と、一喝していたところだろうけれど、何しろ今の私はもう大人だし、森川にとっては年上彼女だ。

森川は長いこと、私のことを、一途というか執念というか…何とも紙一重な状態で想い続けてきたというので、恐らく、そういう経験はなさそうだと思い、ここは年上彼女らしくリードするべきかな、と考えた。

とはいえ、やきもちやきの森川にとって「元カレ」「前の彼氏」「昔の男」といった言葉は、絶対禁句だということがよくわかったので、

「あなたが最初で最後よ…」

などと、カマトトぶったり、少し怖がってみせたほうがいいのかもしれないとも思うが、それはそれで白々しい気もするから、悩むところだ。

しかし、そんな風にお姉さんぶりつつも、新しい下着セットをこっそり買いに行った私も、なんやかんやで浮かれすぎだろう。