まさに今が蜜月の私たちの間に、一体何が起きているのか?

今年の5月、中学時代に部活の後輩だった森川と再会し、9月には晴れて恋人同士になった私たち。

とはいえ、休みが合わないことや、今はまだ互いに実家住まいということもあり、丸1日デートしたり、ましてやお泊まりなどは全く出来ずにいた。

そして、先月ようやく、念願の有給をゲットした森川は、

「ねぇ先輩。来月、付き合って3ヶ月目の記念と、僕の誕生日を兼ねて、温泉旅行へ行きましょう!」

それはそれは、嬉々として誘ってきた。

お世辞にもスマートな誘い方とは言えないが、何しろ蜜月である。

私も二つ返事で快諾した。

「本当にいいんですか?うわぁ…いよいよ恋人になれますね!」

「え?付き合って3ヶ月目って言ったのに、まだ恋人じゃなかったって、なんか矛盾してない?」

すると、森川はニヤニヤしながら、

「確かに今も恋人ですけど…行き先は温泉宿ですよ。僕の言わんとしてること、わかるでしょう?」