「先輩…本当にごめんなさいっ!」

流れる景色もすっかり濃く色づいた11月。

森川の運転する車中で、さっきからもう何十回、謝られているのだろう?

「だから…私は全く気にしてないから大丈夫だってば」

「少しぐらいは気にしてくださいよ…」

「どっちなのよ。そんなことより、帰り道は色々なところ寄って、少しでも思い出作りしようよ」

「それもいいですけど…あーもう!これが原因で嫌いにならないでくださいね!?」

「だから、全然気にしてないからいいって…」

ずっと、こんな会話ばかりエンドレスで繰り返している。