推しとか恋とか青春とか。

え、ほんとにたったの4問…!?



「いち、に、さん、よん………っ、」



後10問も残ってるけど、このペースだと何時に帰れるんだ…?


見ると、教室内にはわたし1人。


そうだよね、みんな帰るのが普通だよね。


…っはぁ。


机に項垂れながら見つめるのは学君の机。


数学は嫌いだけど、数学、という文字は好き。


なぜなら"学"という文字が入っているからという単純な理由。


もうこのまま眠ってしまおうか……と瞼を閉じること数分…



「また居眠り?」



側からそんな言葉が聞こえ、パッと目を開くとそこには見たことのない綺麗な顔が。


…いや、今のは、こんな間近では見たことない、って意味。


わたしの顔を覗き込むように見ていた顔を離すと、頭に敷いたノートに視線を落とした。