推しとか恋とか青春とか。

「…学君だ。」



私服姿の学君を見るのはもちろん初めてで見入ってしまう。


全身黒でラフな格好だけど、またそれが似合っててかっこいい。


わたしの推しはどこまでもお洒落なんだ…?


ボーっと見つめていると、目が合った気がして咄嗟に俯く。


わたしってバレたかな?いや、でもわたしも私服だし、バレてないはず…



「やっぱり彼方だ?」


「っ、あはは〜…こんにちは、学君」



全然バレてんじゃん!!


それに、こんにちはって……なに?



「これから紫波と会う約束してんの?」


「え?ううんっ。なんで?」


「や、紫波と仲良いし、毎日会ってんのかな?って」


「さすがに毎日は会わないよ。真留君もモテるし、女の子と約束があったりするんじゃないかな?」