推しとか恋とか青春とか。

「僕はそんなゆにが好きだからね」


「真留君は今日も今日とて優男だね」



こんなに優しくされると調子に乗っちゃいそうで怖いよ。



「…傷つけた…?ごめん。そんなつもりなかったんだけど」



と顔を覗き込んできた学君にドキッとする。


その不意打ちは心臓に悪い。


今ので確実に寿命が縮んだに違いない。



「じゃ、今日はこれで帰る。彼方、とりあえずこれだけは覚えといて?また明日。」


「っ、あ、ありがとう!また明日っ」



思わず立ち上がり手を振る。


もちろんクールな学君が手を振り返してくれることはなかったけど、そんなの全然いいし問題ない。


モデルのような後ろ姿を見送ると、腰が抜けたように座り込んだ。



「お疲れ、ゆに。」



そう言っていつもの笑みを見せた真留君にホッとする。