推しとか恋とか青春とか。

そう言って黒板の英文を消していく真留君の背中をただ見つめる。


真留君の憧れの学君……


真留君はいったいどこまで憧れ続ける気なんだろう?


そもそも憧れる必要もないと思うんだけど…?


真留君にはいいところ沢山ある訳だし。



「ゆに、今日はもう帰ろっか。明日からは本気出して頑張ろうね」


「はい!真留先生」


「いいお返事です」



と笑った真留君と並んで学校を後にした。



「それにしても、真留君はメガネも似合うんだね」


「どう?少しは先生っぽかったかな?」


「ん。ぽかったよ。でも、真留君に先生は不向きだね」


「どうして?」


「だって優しすぎるから。真留君程優しいと、先生は務まらないよ」



みーんな、真留先生に甘えてしまうだろうからね。