推しとか恋とか青春とか。

まぁ、スパルタではあったけど、根は優しいもんね。



「朱里、池田君と接点あるんだ?」


「接点というか、落とし物を拾ってくれたのがきっかけで」


「なるほど。じゃ、朱里の一目惚れ?」


「落とし物拾ってもらう前から池田君の存在は知ってた。放課後に家庭科室の前を通った時に何度か見掛けたことがあって…真面目に料理と向き合う姿がかっこいいなぁ、って」


「…そっか。それを知ったら池田君も嬉しいだろうね」



なーんだ。


池田君の友達の心配をしてたことがあったけど、友達以上にこうして池田君のことを見てくれている子がいたんだ。


…なんか良かった…朱里の好きな人が池田君で。


でも、どうやって2人の接点を作れば…


わたしに出来ることはあるのかな。


好きな人を教えてもらったはいいけど、接点を作るって結構難しいかも。


だけど、勇気を出して教えてくれた朱里の気持ちを裏切る訳にはいかない。


どうにかしないと!