推しとか恋とか青春とか。

我ながら虚しいけど…


このクラスに朱里以外の友達はいない。


学君と翔悟君は別枠として。


だから、って言い方は変だけど、わたしを信じて教えてほしい。


朱里の恋を応援したいから。



「分かった。じゃ、昼休みに教えるね」


「りょーかい。」



ちょうどチャイムが鳴り、朱里は席に戻って行った。


それを狙ったかのように声を掛けてきたのは、さっきぶりの翔悟君。



「仲直り出来た?」


「うん!翔悟君のおかげでなんとか」


「なーんだ。案外あっさり仲直りするんだね」



と頬杖をついた翔悟君はどこかつまらなさそう。


そんな翔悟君のせいで喧嘩したみたいなものだけど、仲直りのきっかけをくれたのも翔悟君だから、今回の件は許してあげよう。


あぁ、わたしはなんて心の広い人なんだろう?


…なんて。