「…学君が隣なのは心強いんだけどさ?どうせなら真留君も同じクラスが良かったなぁ」



なんて本音を吐いてみたりもする。



「紫波は隣のクラスじゃん。すぐに会いに行けるよ」


「そうだけさ……っはぁ。つまんない」


「…つまんないのも今だけかも…?彼方の後ろの席が空席なのはなんでだろうね?」



お?確かにそうだ。


他の席は全部埋まっているのに、後ろだけずっと空席。


…誰だ?…


黒板の座席表の名前を見てみるけど見たことないような…



「九条なんて名前の子いたっけ?」



"九条"の文字を見つめながら学君に聞いてみると、「転校生だと思う」と言う返事が戻ってきた。


なるほど!転校生か。


通りで見たことも聞いたこともない名前だと思った。



「彼方、狙われないといいね」