推しとか恋とか青春とか。

やっぱりわたしの気持ちを読み取られたに違いない。


気を使わせてしまった…


それに、お礼なんて言われちゃってさ。


お礼を言うのはわたしのほうなのに……情けない。


ごめんね学君。


チラッと学君の背中を見つめるなり、申し訳なくなる。


と同時に後ろから聞こえた紗枝のため息に背筋が伸びる。


これは間違いなくお説教だ。


…うん、でも今日は素直にお説教を受けよう。



「ほらゆに、1限目の準備」



真留君の声に1限目の教科書を取り出しながらも、わたしの視線は学君に向きがち。


……なんて思っただろう?


お礼一つも言えない非常識な女、とか?


ま、そう思われても仕方ないんだけど、でも結構凹む…かも。


お礼は言いたかったんだもん。