推しとか恋とか青春とか。

ハンカチから目を覗かせると、目の前に真留君らしき人の背中が見え、その奥で紗枝が笑っていた。



「ちょっと待ってよ。真留君わたしはどうなるの?」



そう聞こえた声に視線を向けると、偽物の真留君にまんまと捕まった隣のクラスの子が立っていた。


…この子と真留君は初詣に来たんだ…?


なんてことを考えていると、「ごめん。ゆにの涙は僕が拭くって約束してるんだ」と言い残し、わたしの手を引いて歩き出した真留君。


…えーっと、なんだ?この状況……


真留君怒ってたんじゃないの?


……もう怒ってないの?仲直り出来るの??



「真留君…?」



意を決し、久しぶりに真留君の名前を呼んだ。


すると、足を止めて振り向いた真留君と瞳が絡む。


その瞳に怒りは見えないから、もう怒ってないようだ。



「ゆに、僕……」


「嫌いだよ、真留君のことなんて」