推しとか恋とか青春とか。

真留君から視線を逸らすと唇を噛み締めた。


…全然可愛くないっ…


今の真留君は可愛さのカケラもない。


……そんなのわたしの好きな真留君じゃないから、今は距離を置いておくのも悪くないのかも。


…大丈夫、きっと時間が解決してくれるはず。


そして、気づけば仲直りしてて、いつもの真留君に戻ってるよね。


この日は珍しく、一切睡魔に襲われることなく授業を受けることが出来た。


そんなわたしにいつもの真留君だったらこう言ってくれる。


"ゆに、今日お利口だったね。寝ずに頑張ったね"って…最高の笑顔と共に。


だけど、その笑顔は今はわたしじゃない人に向けられている。



「まーる君っ♪帰ろ?」



と迎えに来たのは今朝見た同じ顔。


真留君はその子に笑顔を向けると、教室を出て行った。



「ゆに…?」



真留君の背中を見つめていると、紗枝が優しく声を掛けてきた。