推しとか恋とか青春とか。

思えば高校入学して撮るのは今日が初めてかも。



「…紫波と撮ったりしないの?」



真留君の名前に、操作する手が止まる。


…撮ったことない…


わたし、そんなに真留君と遊んだりしたことないや。


学校の外に出れば、真留君とは赤の他人状態に近い。


休日に誘われることも滅多になかったし、真留君との関係って案外浅いのかも。



「彼方、」



ボーっとしていると学君に手を引かれ、いつの間にか撮影のカウントが始まっていて、気づくと学君に肩を抱かれていた。



「彼方がそんなんだと、俺諦めきれないよ」


「えっ、…」



そう言った学君に視線を向けると、そのタイミングでシャッターが落ちた。


まるでそれを狙っていたようなタイミング…


見事にわたしは間抜け面だし。


…やられた…はめられた。