推しとか恋とか青春とか。

…紗枝、ファイト!


踵を返し、何もない教室に戻って来ると、小さなため息が漏れた。


……紗枝はいつから真留君のことが好きだったんだろう?


友達なのに、全然気づいてあげられなかったな…


紗枝に対する申し訳ない気持ちが大きくなってくると同時に、妙な感情が生まれる。


胸の奥のほうでモヤモヤと渦を巻く…


なんだろう?こんなの初めてだ。


よく分からない感情を抱えたまま校門を抜けた時、「ゆに、」と真留君の声が聞こえた。



「真留君?なんで?え、紗枝は?」


「紗枝なら先に帰ったよ。僕はゆにのこと待ってた。帰ろ?」


「…うん。」



いい、のかな…?


紗枝、気分害してないかな??


この時、初めて真留君の優しさに重荷を感じた。


真留君の優しさで人を傷つけることもあるんだね。