推しとか恋とか青春とか。

「がっくん、ほんと完璧なんだね」


「だね。なんか引いちゃうレベルだよ」


「でも、これで助かったね。課題終わらせられるよ」


「あ、そうだった!急ぐねっ」



居残りさせられた理由をすっかり忘れてしまっていた。


急いでノートを写し、問題を解いていく。


というより、これは学君の答えを丸写ししているだけ。


……ま、でも、とりあえず、そんなこんなで無事に鬼教師をやっつけることは出来た。


それもこれも学君のおかげ。



「真留君、付き合ってくれてありがとう。このお礼に明日学食奢らせて?」



校門を出ながら真留君に笑顔を向けると、頭を横に振られた。



「お礼は僕じゃなくて、がっくんにするべきだよ」


「…そう、なんだけどさ?それって無理だと思わない?あんなルールがある限り」


「確かに。」