推しとか恋とか青春とか。

「がっくんのノート借りたの!?」



側に寄って来た真留君も興味津々にノートを見つめる。



「てか真留君はどうしたの?」


「…心配だったから。紗枝と別れて戻って来た」


「真留君……優男ぉぉ」



こんなに優しい男はどこ探しても絶対居ない。


これだから真留君の人の良さを利用してしまう。


…わたしは悪い女。



「でもこれって「シー!」



急いで真留君の口を塞いだ。


それ以上は言わせない!


ぬけがけ、なんて絶対言わせない!!


これはぬけがけには入らない。…はず。


学君の優しさを無駄には出来ないでしょ?