推しとか恋とか青春とか。

「学君はどうしたの?」


「…忘れ物。」



と自分の机から抜いた1冊のノート。


忘れ物か…


学君も忘れ物したりするんだ?


人間らしい一面を知ったところで声を掛けられた。



「この忘れたノート、貸そうか?」



と差し出されたノートには"数学"と記載されていた。



「いいのっ!?」



思いもよらない出来事に立ち上がり学君を見る。



「別にいいよ。ノートの中身は頭に入ってるし」


「わぁ…さすがだね」



やっぱり脳の作りがわたしとは違うらしい。