...

白さが消えてきた。今度は外だ。

一気に暑さが押し寄せ、傾きかけた太陽の光がまぶしい。




瞬間移動ってやつ?

私の目の前にはさっきのイケメンが立っていた。



名前を尋ねた覚えはないのに、何故か彼の名前が“いつき”だと知っていた。

いつき君は口を開いた。


《俺と付き合ってくれませんか?》


急展開すぎてついていけない。

しかし、その瞬間、再び目の前が真っ白になっていくのが分かった。

さっきまでうるさかった蝉の鳴き声が、一斉に飛び立っていったかのように遠ざかっていく。