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〈あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?〉


《だ、大丈夫です…》


反射的に答えてしまった後、そっとまぶたを開けると、

そこには男の子が、心配そうにこちらを覗いていた。


誰だろう。少なくとも同じ教室で見たことはない。

顔立ちは整っていて、見るからに優しそうだ。


〈怪我ない?〉


《大したことないんで、大丈夫です》


床に倒れてしまった体を起こし、じゃあ、と言って教室に向かう。



それにしても、イケメンだったなー

なんか、目の前が白くなってる?

今まではっきりと見えていた廊下の壁の色がだんだんと白くなって、輪郭がはっきりしない。