世界が、
終わりを迎えて、
台風の目の中にいるように静かで、
邪魔する人が居ない空を見上げた。
真っ黒に塗りつぶされたようだったが、
理解した。
これが本当の虹であると。
風が耳をかすめる音しか聞こえず、
それに押されて岬の先端に行くが、
岬には向い風が吹く。
この世界中の空気を吸い尽くすまで、
私は死ねない。