「はい・・・・




覚悟はできています」




俺は翠の笑顔を心に




思い出しながら、社長の目をしっかりと




見据える。




「昌・・・・ほんとに?言ってるの?」




それまで、無言だった高野も




俺のいきなりの発言に驚いている。




「ああ、ごめんな。




俺とお前の関係はもう6年前に終わってる。




俺はもう絶対に失いたくないもの見つけたんだ。」




「昌・・・・」




高野の目にうっすらと涙が見えた。




「すいません・・・社長」




「わかった・・・後の事は追って知らせる。




今すぐ、ここから出て行ってくれ」




社長は椅子から立ち上がり、俺に背を向ける。




俺はもう一度一礼して、社長室を後にした。