「おっはよう〜!」

最高学年の3年生になって1ヶ月。受験生になった自覚もなく親友の雫といつもの挨拶を交わす。

(おはよう!今日もだるいね〜笑)


「本当にね!何か起きないかな〜!」



大人は一日が短く感じて子供は長く感じるって言うけど、本当にそうだと思う。

そりゃ大人になったことないから、特別理由は無いけど、私は毎日がとっても長く感じる。



2時間目の休み時間が終わって、3時間目が始まってすぐ吐き気を感じた。


小学校の頃からあまり風邪を引かないタイプだったから、気のせいだろいと思いいつもの妄想を始めた。

妄想は、授業中、学生がすることランキング1位だと思う。

学校に不審者が来たり、誰かが救急車で運ばれたり、地震が来たり、色々な妄想をするけどどれも私の立場は傍観者だった。


(有栖川さん、問3の答えは何ですか?)



ドキッ_ガタッ、、


私は授業は聞いていないくせに、小心者なので先生に当てられるだけで内心ドキッっとしている。

「…分かりません。」



(そうか、また当てるからちゃんと考えておけよ)



幸い優しい先生だったので何も言われなかった。


「はいっ」


返事をして、椅子に座ろうとした時、



グラッ﹏バタッ…


一瞬目眩がして倒れてしまった。






(有栖川!大丈夫かっ、)


(琴っ、だいじょぅ……)



だんだんみんなの声が遠のいていく。






ピーポーピーポー