最近はそのことばかり考えてる。もう、仁を解放してあげるべきだと。分かってはいるの。

二人の瞳はお互いが好きだって言ってる。恋してるって。

もう私に残された時間は少ない。二人は同じ高校に進学するけれど、私は遠いところに行くことになっているから。

だから私に残された期限は中三の卒業式まで。それまでにけじめをつけなきゃいけない。

でも、残された時間のギリギリまでは私の彼氏でいてほしいっていう欲が顔を出すの。

欲張りな私。こんな私だから、昔から自分のことが嫌いだった。

でも、こんな私でもいいって、こんな私のことを好きだよと言ってくれて仁のことを好きになったんだよね。

そんな仁と辛いことがあったときはずっと私の傍にいてくれた澄華の為に、明日。

明日、仁に言うんだ。

二人は優しいから、私が仁の彼女になっている限り、自分の気持ちを押し殺そうとするから。

だから。だから、

私の口から、お別れを言うんだ。