「麗愛≪りあ≫~、おはよう~!!!」


なんてことのない中三の夏の登校時の朝。

私の唯一の親友の澄華≪すみか≫と私の自慢の彼氏仁≪じん≫と私の家の前の交差点で、待ち合わせをする。

二人は同じ方向に家があるので、私が後から合流という形になる。

待ち合わせ場所の交差点に行くと、澄華の明るい笑顔が飛び込んでくる。

「麗愛、おはよ」

仁は低血圧で朝にはめっぽう弱い。その代わり、夜には強いらしい。

仁が言うには、ずっと起きておけば自分の中では夜なので問題ないとのこと。

『二人とも、おはよ~!!!』

「じゃあそろそろ行こっかぁ~」

『うん!』

そう言って、仁の隣を歩くのはいつからか澄華だった。仁の彼女の私は数歩後ろから歩いていく。