もう、恋なんてしない

「じゃあ、また明日な」

「うん!また明日ね」

あいつは、楓は他の女子と違う気がする。キーキー喚かないし、素直で純粋で普通にいい子だ。何故か他の女子と違うところがある。

明日、花菜の伝を使って、楓を呼び出してみよう。


──翌朝。

俺は朝一番に花菜に声をかけた。

「花菜。おはよ」

「え?二階堂くん?二階堂くんから話しかけてくるなんて珍しいね。おはよう!何かあったの?」

流石、勘が鋭い。

「あのさ、C組の星名 楓って知ってるか?」

「星名さん?勿論知ってるけど?どうかしたの?」

「花菜の伝で楓を呼び出してほしいんだ。ちょっと話したいことがあって」

「……え?も、勿論いいけど」

何故か花菜は歪んだ顔をした。何か考えているのだろうか。

「えっと、C組の葵衣(あおい)に聞いてみるよ。星名さんが大丈夫かどうか」

「あぁ。よろしく。ありがとな、花菜」

「ううん!大丈夫!困ったことがあったら言ってね。伝、たくさんあるからさ」

「ああ」

とりあえず、楓に話しかける手段はOKだ。

(……どうして、俺はこんなに必死なんだ?)

楓に、魅力があるのは分かるが、違うクラスの女子にわざわざ話しかけにいくまであるか?

俺は、女子が大の苦手で、大嫌いな筈なのに?

悶々と考えていると、

「二階堂くーん!葵衣が大丈夫だってさ!C組行くよー」

花菜が大声で俺のことを呼んだ。

「バ、バカッ。みんなに聞こえるだろーが!」

「大丈夫でしょー。星名さんは、この学年のマドンナ的存在なんだから。学年一の完璧王子がマドンナに会いに行ってもなーんの問題はないって」

「俺は完璧王子なんかじゃないんだけど」

「とにかく!星名さんには、話をつけてあるから!今すぐいくよ!」

「あ、ちょっ」

これだから、こういう女子は嫌いなんだ!


「葵衣~?いる?」

「はいはーい。いるよー」

俺らがC組にいくと、女子と男子が同時に騒ぎ始めた。

「わあ。二階堂くんだぁ。かっこいい…」「花菜ちゃんだ!やっぱ可愛いな~」
「あの二人、ほーんとお似合いだよね~。付き合ってるのかな?」
「どうかな?でも星名さんに会いに来たんでしょ?どうしたのかな?」

うぅ。視線が……。

「星名さん~?いる?」

「…はーい?」

楓が返事をした。俺はすぐに楓の姿を見つけた。窓のほうで、楓の友達(?)と話していた。