もう、恋なんてしない

俺は一人でいるのが好きだ。なるべく人とも関わりたくないし、一人で読書をしていたい。

でも、生まれつきの容姿は、一瞬で変えられるわけではない。
だから俺は、

俺という奴を隠しながら生きている。

──。
「二階堂くーん!おはよー!」

甘ったるい、俺の嫌いな声が真後ろから聞こえた。

同じクラスの、櫻井 花菜だ。俺の嫌いなタイプナンバーワンの女子。

「二階堂くん、今日も早いね~。いつも何時に学校来てるの?」

俺はその瞬間に人を作る。

「おはよー花菜。俺はね…七時くらいに家出てるかな?」

「そーなの?二階堂くんは流石だよね~。成績優秀、頭脳明晰、運動神経もいいし、優しい!こんなに完璧な人、いないよ!」

あー。耳がいてぇ。

「そう?こんな奴、世界中にたくさんいるけど?」

「ううん!二階堂くんは世界に一人だけなんだから!」

「はは。お世辞でもありがと」

「もー!」

うるせー。やっぱり、女子は苦手だ。キーキー喚く猿みたいだ。

「優~おはよー」

後ろから声が聞こえた。

俺の親友・鳥海 大樹だ。

「大樹、はよ~」

「鳥海くん!おはよっ!」

「おはよう」

大樹は今日も塩対応だ。羨ましい。

「大樹、数学の宿題、やってきたか?俺、分かんないとこがあってさ」

「ん。いいよ。教えてやる」

「サンキュー」

大樹は俺の大事な親友だ。野球部のエースだし、頭はいいし、運動神経もいいし。本物のイケメンだ。

「二階堂くんと鳥海くんはほーんと絵になるよね~。イケメンの絵!」

「花菜、そんなことないよ。大樹は本物のイケメンだけど」

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン…。

「あ。チャイム鳴っちゃったね。花菜、自分の席に戻りな」

「はーい。じゃあね!」

「はーい」

はぁ。女ってめんどくせー。


学校が終わって放課後。
俺は、下校する道を一人で歩いていた。

今日も面倒くさかった。花菜がうるさくて、全く勉強に集中できないし。

これだから、女子は苦手なんだ。

「はあ」

ため息が自然と出てしまう。癖になってきている。直さないと。

そう思っていると、

「~~~いないよ?~~だ。~~くれ!」

「私は~~~。~~~ない」

誰か言い争っているのか?覗き見するといけないかな。しかし俺は、好奇心に負けてしまい、電柱の影から様子を見た。

あいつは、染谷?と、C組の女子か?顔を見たことがある気がする。

「お願いだ!付き合ってくれ!」

……。これは、告白現場か。邪魔しない方が良さそうだな。

「ごめんなさい。私は、誰とも付き合う気はない」

C組の女子は染谷の前を通り過ぎようとした。すると、

パシッ。

染谷がC組の女子の腕を掴んだ。

「君のことを好いてくれる人なんて早々いないよ?お願いだから、付き合ってくれよ」

これは、ヤバイんじゃないか?

C組の女子の顔が歪んでいった。嫌がっている。