「どうぞ」
エメラルドグリーンのドリンクがカクテルグラスに入れられて差し出された。
「ありがとうございます。・・・うん、美味しい」
一口口を付けて声が漏れる。
勇人も、今頃里佳子さんと飲んでいるのかな。
帰国の予定は明後日だから仕事も一段落しているはずだし、きっと二人でいるのよね。
そんなことを想像すると、また落ち込んでしまう。
「花音さん、何かあったんですか?」
トイレから戻った拓馬君が隣の席に座って私を見ている。
「何もないわよ」
と一応笑顔で言ったものの、やはり気持ちが晴れることはない。
里佳子さんの電話から一週間。
私の頭からはあの時の里佳子さんの声が離れてくれない。
二人が今頃何をしているんだろうと考えると眠れないし、結局私は騙されていたんだと思うと悔しくて腹も立つ。
おかげでこの一週間、私の体調は絶不調だ。
「すごく疲れた顔をしていますよ。心配事があるなら何でも言ってください」
「うん、ありがとう」
拓馬君は本当にいい子だと思う。
優しいし、穏やかだし、つい愚痴をこぼしたくもなるけれど、それでも私たち夫婦の秘密は話せない。
離婚前提の夫婦だなんて、誰にも絶対に知られるわけにはいかない。
エメラルドグリーンのドリンクがカクテルグラスに入れられて差し出された。
「ありがとうございます。・・・うん、美味しい」
一口口を付けて声が漏れる。
勇人も、今頃里佳子さんと飲んでいるのかな。
帰国の予定は明後日だから仕事も一段落しているはずだし、きっと二人でいるのよね。
そんなことを想像すると、また落ち込んでしまう。
「花音さん、何かあったんですか?」
トイレから戻った拓馬君が隣の席に座って私を見ている。
「何もないわよ」
と一応笑顔で言ったものの、やはり気持ちが晴れることはない。
里佳子さんの電話から一週間。
私の頭からはあの時の里佳子さんの声が離れてくれない。
二人が今頃何をしているんだろうと考えると眠れないし、結局私は騙されていたんだと思うと悔しくて腹も立つ。
おかげでこの一週間、私の体調は絶不調だ。
「すごく疲れた顔をしていますよ。心配事があるなら何でも言ってください」
「うん、ありがとう」
拓馬君は本当にいい子だと思う。
優しいし、穏やかだし、つい愚痴をこぼしたくもなるけれど、それでも私たち夫婦の秘密は話せない。
離婚前提の夫婦だなんて、誰にも絶対に知られるわけにはいかない。



