7月。
三朝財閥の手掛ける複合型商業施設が完成し、盛大に竣工式典が行われた。
都内の大規模な工場跡地の再開発によって生まれた土地に、地上30階建ての大きなビルを建設し、周辺地域の整備を行い、人々の集うことができるまさに新しい街が生まれた。
ビルには海外ブランドを中心に高級店が多数出店し、エリアの真ん中を通る大通りにはカフェやおしゃれな雑貨店も並ぶ。
また、春は桜、冬にはイルミネーションが楽しめるような設計になっているし、街の一角には美術館や劇場もあり誰もが一日中過ごせる空間になっているから、きっと多くの人で賑わうことだろう。
「素敵な場所ですね」
竣工を祝うパーティーの会場として用意されたビル最上階のレセプションホールから眼下を見下ろし、尊人さんに声をかけた。
「君たちのマンションだってここと同じような景色だろ?」
「それはそうですが・・・」
尊人さんに突っ込まれて、つい言葉が止まる。
眺める高さだけを言うなら自宅のマンションだってここと変わらない。
贅沢にも都会の夜景を毎日拝ませてもらっている。
でも、やはり、この空間とは違う。
三朝財閥の手掛ける複合型商業施設が完成し、盛大に竣工式典が行われた。
都内の大規模な工場跡地の再開発によって生まれた土地に、地上30階建ての大きなビルを建設し、周辺地域の整備を行い、人々の集うことができるまさに新しい街が生まれた。
ビルには海外ブランドを中心に高級店が多数出店し、エリアの真ん中を通る大通りにはカフェやおしゃれな雑貨店も並ぶ。
また、春は桜、冬にはイルミネーションが楽しめるような設計になっているし、街の一角には美術館や劇場もあり誰もが一日中過ごせる空間になっているから、きっと多くの人で賑わうことだろう。
「素敵な場所ですね」
竣工を祝うパーティーの会場として用意されたビル最上階のレセプションホールから眼下を見下ろし、尊人さんに声をかけた。
「君たちのマンションだってここと同じような景色だろ?」
「それはそうですが・・・」
尊人さんに突っ込まれて、つい言葉が止まる。
眺める高さだけを言うなら自宅のマンションだってここと変わらない。
贅沢にも都会の夜景を毎日拝ませてもらっている。
でも、やはり、この空間とは違う。



