離婚前提から 始まる恋

「2人とも望んでいるわけではないのに、何で離婚なんて話が出るんだ?」
はっきりと言わない私たちにイライラしながら、父が説明を求める。

勇人はなぜ何も言わないんだろう。
本当に離婚したくないんだろうか?
このまま私を妻として、里佳子さんとの関係も続けようと思っているんだろうか?
それってずるい。

「わしにはお前たちがどうしたいのかがさっぱりわからん。なあ花音、どういうことかわかるように説明してくれ」
「それは・・・」
父さんに睨まれた私が渋々口を開こうとした。その時、

「勇人さん、あなたは秘書の田口里佳子さんと付き合っていらっしゃるって聞いたけれど、本当なの?」
いきなり母さんが爆弾を落とした。

「秘書?どういうことだね、勇人君」
当然父も反応する。

マズいぞ。
ここで里佳子さんの話が出るとは思っていなかった。
これじゃあ勇人の立場が悪くなる。

「あのね、違うのよ」
思わず私が間に入ろうとしたが、
「花音は黙っていなさい」
普段物静かな母にピシャリと止められてしまった。