離婚前提から 始まる恋

勇人が仕事をするときには書斎を使うし、寝室もお互い別々の部屋を持っている私たち夫婦が一緒に過ごすのはキッチンかリビングだけ。
それでも、休日の昼間はこのリビングで本を読んだりテレビや映画を見たりして過ごすことが多い。
そんな時、私はこのソファーから読書をする勇人の横顔を眺める時間が一番好き。
理系の人間だって言いながら、本好きな勇人は時間があれば本を読んでいる。
おかげで家の中は本であふれているけれど、そこは私が整理して生活空間まで侵略してこないように気を付けている。
でも、私達が離婚した後あの本はどうするつもりだろう。
勇人がこのままここに住むにしたって、一度片付ける必要はあると思うけれど・・・

フフフ。
私はバカね。

何で別れた後の旦那の荷物を心配しているんだろう。
いざとなれば片づけをしてくれる業者だってあるし、私がいなくなれば家事代行サービスだって頼むのだろうから、私が気にすることでもないのに。