離婚前提から 始まる恋

小さいころから母を見て育ったせいか、家事全般嫌いなものはない。
掃除をして綺麗になった部屋を見るのは気持ちいいし、真っ白になった洗濯物には気分も上がる。
でも、やはり散らかった部屋の片づけは面倒くさい。
バタバタと動き回ってごみや洗濯ものを運ぶのに体力を使うし、特に広い部屋は頑張って片付けないと集中力が切れたりもする。

「はあー、疲れた」

マンションに戻ってから一度も座ることもなく一時間ほど動き回って、私はソファーに倒れ込んだ。
まだ片づけたりないところはあるけれど、私の体が限界。
元々寝不足な上に急に動いたから、ジッとしているだけで目が回るような感覚がある。
マズイなあ、こんな調子では何もできない。
本当はこの後お風呂の掃除と買い出しもして、勇人が帰ってくる前に夕食も作っておこうと思っていたのに。

それから何度か起き上ろうとしてみたけれど、眩暈の症状は酷くなるばかりで体を起こすこともままならない。
仕方なく、私はしばらくソファーで横になることにした。