連絡もせずに夜遅くまで出歩いていたのは私が悪い。
いつもだったらちゃんと連絡は入れたはず。
そうしなかったのは、勇人と里佳子さんが一緒にいると思っていたから。

「あーあ、何であんなことを言ってしまったんだろう」
自分の寝室に戻り、ため息とともに吐き出した。

一緒に暮らすようになってはじめて喧嘩をした。
その原因を作ったのも、余計なことを言ったのもすべて私。
「連絡もせずに遅くなってごめんなさい」と素直に謝っていれば、こうはならなかった。
それができなかったのは、里佳子さんに対する嫉妬心があったからなのかもしれない。


その晩、私は眠れなかった。
そのまま朝を迎え、いつもより早い時間に起きて朝食の準備をしてまた寝室に逃げ出した。
とてもじゃないけれど、勇人の顔を見る勇気がなかった。

さあどうしよう。
いつもでもこのままってわけにいかないんだけれど・・・