「あんたは、自分の意見ないわけ?」
「あんたってつまんない」

聞き飽きた言葉。
いつからか、私の人生は後ろ向きだった。



いつもと同じ帰り道。
空を見上げると、私と正反対の太陽が光っていた。
「はぁ...」
疲れ切ったため息を漏らす。

その時だった。
「あ!」
隣から大きな声が響く。

「下向いてると、あれ見えないよ?」
その言葉に体が反応し、上を向く。
それは、さっき見た時と同じ空だった。

「ああやって笑ってないといいこと起きないよ?」
この人は何を言っているのだろう…
太陽が笑っているとでも、思っているのだろうか。

でもね。
心の中ではそう思っていても、
つられて笑っちゃうんだ。

それはきっと、隣からのまぶしい笑顔のせい。

でも。君が今、私の隣で笑い続けてくれているから。
たった一つの太陽みたいに、笑えてるんだ。

あの日にくれた君の笑顔は、
きっとこの先も私を笑顔にさせてくれるだろう。


そして、
また君に会ったらね。

「君のその笑顔が大好きだよ。」って、
笑いながら言うんだ。



~君の隣りの太陽~