暑い夏は冷たい晴に恋をする



次の日、私は昨日作っておいたクッキーを持って社会科準備室へ向かう。


「一瀬先生!おはよーございます!」


目の前には、気だるげな一瀬先生。どんな姿もかっこいいのはもはや罪では?


「天野か。なんか用か?」


用がなきゃ来ちゃいけないんですか!?と叫びたいところだが、ここは笑顔で大人の対応!



「先生!クッキー焼いたんです!チョコ味ですよー!」



そうして、目の前にラッピングしたクッキーを差し出す。


「馬鹿か。お前は。生徒からんなもん、貰えるかよ。」



生徒と先生の関係はやっぱり難しいな。でもいいじゃん。クッキーぐらい。


「いいじゃないですか!バレなきゃ!せっかく焼いたんだから!」



それでも一向に受け取る気配のない一瀬先生。というか、こっちすら見てない。