暑い夏は冷たい晴に恋をする



月曜日、終わったプリントを持って準備室に向かった。いつもは肩におろしている髪を束ねて、薄くリップを塗り、スカートをあげた。ワイシャツのボタンをひとつ明け、お姉ちゃんに貰ったネックレスをつけた。


以前ほどメイクをしっかりした訳では無い。、でも先生に可愛く見られたいから、少し変えてみた。


「一瀬先生!課題持ってきました!」


勢いよく準備室に入ると、一瀬先生は、私の格好を見て不満そうな顔をした。



「お前、またなんか吹き込まれたのか?その格好やめろって言ったよな?」



「でも先生は似合ってると思うんですよね?」


手に持っていた課題をデスクの上に置いて、一瀬先生と目を合わせる。


不満そうな顔をして目をそらされたので、一瀬先生の顔を両手で挟んでこちらを向かせた。


先生はびっくりしたみたいで、いつものキリッとした目が少し丸くなっている。


「私一瀬先生のことが好きです!大好きです!絶対に迷惑かけません!…とは言えないけど…迷惑かけないようにします!」



「だからっ…」



何か言いたそうだし、イラッとしてそうだけどそんなの知らない!とにかく私の気持ちを聞いて欲しい



「もう一度追いかけます。正直少し諦めかけてたけど、諦めたくないんです。だからもう一度!先生のこと追いかけます!覚悟しててくださいね」



言い終わったと同時に手を離した。先生は眉間に皺を寄せて居るけど、そんなところもかっこいいと思ってしまう。


「はぁ…。好きにしろよ。」


諦めたように先生はデスクに体を向けてしまった。でも、伝えたいことは伝えた。待っててね。先生もう一度頑張るから。