暑い夏は冷たい晴に恋をする


「っ//////////」



大谷くんは顔を背けてしまった。あっもしかして私の上目遣いがお化けより怖かったとか?そういう感じですか?



「わかったよ。じゃあもう離さないから。」


言われて直ぐにぎゅっと引き寄せられ密着した状態になってしまった。これはもう怖いより恥ずかしいが勝ちます。さすがに。


あっという間にゴールについた。ゴールにはこれまでの道でとった御札をしまう箱と、ロウソク型のランプがあり、雰囲気を醸し出していた。


「どう?結構怖かったでしょ」




「うん。すっごく。でも大谷くんが手を握っててくれたから少し安心してたよ!」


嘘ではない。です。もちろん。手を握ってくれてありがとう。でも一瀬先生ときて、先生の手を握りたかったなんて、大谷くんに失礼だよね。


さっきのことを思い出すとまた暗い気持ちになってしまう。



「ねぇ、それ狙って言ってるの?」


へ?と思う頃にはもう遅かった。大谷くんは私を抱き寄せてそのまま御札のある机の上に座らせた。


大谷くんは私の体を挟むようにテーブルに手をついていて、私の方が視線が高いのに、すごく近くて威圧感があった。



「おっ大谷くん?どっどうしたの…?」


私は大谷くんの肩に手を置いていたがそれを下ろそうとした。すると大谷くんはその手を掴んで少し引っ張った。


私は前かがみになってしまい、大谷くんとの距離はもう…



「おっ大谷くん。?ちっ近い…よ」


心臓がバクバク言っていて今にも破裂しそうだ。でももっと爆発しそうになってしまった。

だって大谷くんの右手が一瀬先生のグレーのパーカーのファスナーを下げていたから。


まだ胸元ぐらいまでだからそれでもゆっくりと焦らすように、ファスナーに手をかけている。



「おっ大谷くんっ?なっ何して…」


ロウソクで薄暗く照らされた大谷くんの表情はいつになく、真剣でシーっと言うジェスチャーを見せた。



すると大谷くんはその手をそのまま下げて、今触れているの私の太ももだ。もう限界…。はっ恥ずかしい…
というか怖い。


「おっ大谷くん…どうしたの…?」


もう一度恐る恐る聞いてみた。しかし今度は恐怖もあってか少し声が震えてしまった。


大谷くんはにっこり笑って私から手を離した。



「じょーだん。天野ちゃんがあんまり俺を誘惑するからイタズラしちゃった。」


ゆっ誘惑って…。、でも良かった。少し安心してしまった。大谷くんは今度はファスナーを1番上まで上げてくれた。



「俺が天野のこと好きってこと。忘れないでね。俺だって優しくしてあげたいけど、我慢できない時もあるんだよ。でも怖がらせてごめんね。」



すっすきって…。大谷くん。まだ私の事好きでいてくれたんだ。ありがたいと思うと同時に申し訳なさでいっぱいだった。