私は、歩きながら考え込む。
いくら耐性があると言っても、ここまで『全く』見ないということも、ちょっと考えにくい。

私は、きっと何かに『守られている』か、なんらかの条件を満たして『除外されている』ような感じだ。

何故?何のために?
そんなことを考えながら、歩を進める。
暫く歩くと———下への、階段。

12階層への階段だ。


「よし、今日はここでキャンプする。

休んでから、明日12階層だ。

12階層の情報を整理しておくと、到達者8名、4名づつの2パーティーだ。
そして、2パーティーとも、12階層でダンジョンの入り口に戻されている。

全員、『とても美しい景色の中に何時間か居て、気がついたら入り口にいた』というようなことを証言している。

景色は、個々に違う。春の花畑だったり、星のよく見える海辺だったり。
行ったことのある場所のこともあれば、知らない場所であることもある。

皆、そうなる覚悟はしておくようにな。
勿論、魔獣や魔樹への警戒も怠らないように」



グスタフさんの言葉を反芻する。


——駄目だ、情報が少ない。


とにかく、進むしか無い。

私は、気を引き締めた。