それから私は、情報収集に躍起になった。
似た人物が居ると聞けば、本人を知っている私かベル、時間があれば、カティやアリーも手伝ってくれて、確認して回った。ナナは討伐実習のため、遠方にいた。

——半年必死に探して、見つけられず。

悶々としている私に、ベルが言った。

「今、蒼星の会の皆に声をかけて、サロンに集まってもらいました。
皆の総意です。メグ、来て貰えますか?」

真剣な眸と声。
何?何かあった?と混乱する私を、ベルはサロンに誘導した。

そこには、大切な親友たち。

席に着くと、代表してナナが口を開いた。

いつもより、優しく、労わるような声。


「メグ、そろそろいいんじゃないかしら」

「何がです?」


「貴女の抱えている秘密を、私達に話してくださらないかしら」


ヒュッと、息を呑んだ。
思わぬ所からのボディブローに、私は咄嗟に返すことができない。


「貴女が何かを抱えていること、分かっていましたわ。
それが私達を救ってくれていることも。

でも、今の貴女には、それがとても重そうですわ。

私達に、その荷物を分けて貰えませんか?
重荷なら、一緒に背負いたいと思うのが友情というものではありませんか?」


見回すと、色は違えど優しい8つの眸。
その全てが、私を受け止めるという覚悟に満ちていて。

知らず、涙が溢れた。

そうだ、ここにいる皆なら。
助けてくれるかもしれない。
信じてくれるかもしれない。

この、荒唐無稽なお話。
物語に無かった親友達だから。


私は、長い長い物語を、4人の親友に語って聞かせたのだった———