『セーラー服を脱いだら、キミは…』スカートが捲れた、その時ボクは… 番外編

「理央、浴衣寒くない?」


「うん、羽織着てきたし大丈夫」


春の朝はまだ少し肌寒い


武頼、手繋ぎたい


武頼の腕に掴まったら
逃げられた


え…

なんか嫌だった?


「ごめん…
こっちの腕、まだ痺れてるんだ」


そう言って反対の手で
私の手を繋いでくれた


「そんなに私重かった?」


「重くないよ
ボクが鍛えてないだけ」


「あ、武頼、寝癖ついてる」


手を伸ばして武頼の髪を整えた


少し屈んだ武頼の視線が私の顔をジッと見た


私、顔になんかついてる?

まだメイクしてないし恥ずかしい


「武頼、そんな見ないで…
か、顔になんかついてる?」


繋いでない手で顔を擦った


「好きだな…って思って…」


「え?」


「そんなビックリしないでよ」


「だってビックリした
急にそんなこと言うから…」


「昨日、寝る時から、ずっと思ってたけど…」


ずっと?

それなのに何もしなかったじゃん


オヤスミのキスだけ


もしかして
私が先に寝ちゃったのかな?


もしかして
武頼、ぜんぜん寝てないのかも…

寝ないでずっと我慢してた?


「正確に言うと、寝る時からじゃなくて…
その前から、ずっと…好きだったよ」


「え?」


「理央またビックリした」


「ビックリじゃない!
今のは…ちょっと…だいぶ照れた」


「うん
理央、耳赤い」


「もぉ!いちいち言わないでよ!」


「理央かわいい」


「そーゆーのもいいから!」


「じゃあ、もぉ言わないね」


それはそれでヤダな

武頼のイジワル

もぉ!


「うん、言わなくていいもん」


「理央、今度は拗ねた?」


「拗ねてない

キスしてよ
好きだなって思ったら、キスしてよ」


朝から何言ってるんだろう

旅行って人を大胆にさせるんだ


「うん、わかった」


え、わかったんだ

旅行って何でも叶っちゃう


ーーーーー


武頼が私に重なった


朝から深いキス

優しいキス


ごめんね武頼

私っていつも素直になれない


ホントは
好きとか、かわいいとか
武頼に言われたくて頑張ってる

ホントはすごく嬉しい


武頼は
私をどんどん女の子にしてくれる


「理央、浴衣ちょっと胸元あきすぎ」


武頼に浴衣の衿を正された


胸元見てたの?

恥ずかしい


また赤くなったのバレたかな?


「あ、レンレンたち起きたかな?
そろそろ部屋戻ろ」